会社員から個人事業主になりたい人
「これから独立を考えていますが、正直言ってどちらが良いのか分かりません。会社員から個人事業主になるデメリットとメリットが分かると少しは悩みの解決になるんですが…。」
こんな疑問にお答えします。
本記事では、会社員から個人事業主になるデメリットとメリットについて詳しく解説しています。
これから「会社から独立をしたい」と考えているあなたに向けた内容の記事です。
先日に会社員から個人事業主になるデメリットとメリットについてこんなツイートをしました。
会社員から個人事業主になるのはメリットもあるけど、デメリットもあります。会社に勤める1番のメリットは、『黙っていても仕事がある』こと。
個人事業主は仕事がない=収入が無い
会社に行くだけで仕事を与えられるって実は幸せなことでもある。どちらを選ぶかは、自分の意思で考えて行動しよう。— けんちゃん@個人事業主 (@kenchanmaster) March 23, 2021
会社員から個人事業主になるのはメリットもあるけど、デメリットもあります。会社に勤める1番のメリットは、『黙っていても仕事がある』こと。
個人事業主は仕事がない=収入が無い
会社に行くだけで仕事を与えられるって実は幸せなことでもある。どちらを選ぶかは、自分の意思で考えて行動しよう。
2020年11月に23年間勤めた建設会社から独立して個人事業主になった僕が、会社員と個人事業主どちらが良いのかについて詳しく解説していきます。
【 この記事を書いている僕の紹介 】
- けんちゃん@個人事業主
- 2020年に独立した個人事業主
- Twitter:フォロワー数1800
会社員と個人事業主の違いとは
会社員と個人事業主の違いは大きく分けると下記の通り。
- 組織に属さない
- 収入の幅が変わる
順番に見ていきましょう。
組織に属さない
会社員は当たり前ですが、会社という組織に属しています。個人事業主とは、組織に属さずに個人で事業を営むいわば”経営者”と同じです。
そもそも個人事業主やフリーランスの方は、会社という組織に縛られるのが嫌だったり、新しい自分を発見するために独立をする方が多いと思います。
後で説明しますが、組織に属さないという事は、メリットだけではなく実は、デメリットでもありますので、一概にどちらが良いとは言い切れません。
良いか悪いかではなく、会社員は組織に属していて個人事業主は組織に属していないいう事を覚えておきましょう。
収入の幅が変わる
歩合制の会社では違うところもありますが、基本的に会社員は給料が決まっています。
例えば、毎日遊んでいても、一生懸命に働いても同じ給料しかもらえません。
個人事業主は、働き方にもよりますが、基本的にやればやるだけ自分の報酬が増えます。
逆を言えば、何もしなければ収入はないという事。
とはいえ、働きたくないから個人事業主になるという方はあまりいないと思いますので、個人事業主は、自分の成果に応じて収入が増えていきます。
会社員は給料に大体の上限がありますが、個人事業主は天井がありません。これが一番の魅力です。
会社員から個人事業主になるデメリット6つ
個人事業主になったからと言ってメリットだけではありません。会社員から個人事業主になると下記のようなデメリットがあります。
- 収入が不安定
- 全て自分の責任
- 保険料は全額自己負担
- 融資をうけにくくなる
- 黙っていても仕事は貰えない
- 自分で確定申告をしなければならない
意外と多いですよね。順番に解説します。
収入が不安定
先ほどもありましたが、会社員と違って個人事業主は、何もしなければ収入は入ってきません。それが、会社員が個人事業主になる時に不安になる一番の理由だと思います。
「会社から独立しても仕事が貰えるのか分からない…。収入がなかったらどうやって生活していこう…。」
こんな風に会社員の方は思うことでしょう。僕も、2020年まで会社員だったのでこの気持ちは痛いほどわかります。
住宅ローンや、生活費の支払いはどうしようとつい考えてしまいますよね。
会社員なら、毎月の収入はそれなりに安定しているので、無茶をしなければ毎月の支払いに困ることはありませんからね。
これが、個人事業主になることに踏み切れない原因ではないでしょうか。
全て自分の責任
会社員の時は、仕事で失敗しても上司や会社が責任を取ってくれたと思います。
しかし、個人事業主は経営者と一緒なので”自分の責任は全て自分”でとらなければなりません。
もしかしたら、損害賠償まで自分の責任で行わなければならないこともあるので、失敗を恐れずにはいられなくなります。
もう優しい先輩や頼れる上司があなたの責任をとってくれるなんてことはなくなります。
独立するにはそれなりの覚悟がなくてはならないのです。
保険料は全額自己負担
会社員は、社会保険料をあなたと会社側が半分ずつ支払っていますが、個人事業主になると全て自分で支払わなければなりません。
国民健康保険と国民年金に加入するのですが、独立したての頃はこれが中々キツイ…。
保険料が全額自己負担なんてイヤだ。
そんなことを言って、支払いから逃れていると後から必ず請求されるので決して逃げることは出来ません。
会社側もあなたに対して色々経費を使ってくれていたという事に気付くのは、会社から独立して自分で保険料を支払う時に初めて知ることになるかもしれません。
融資を受けにくくなる
会社員の時は、住宅ローンやマイカーローンを組みやすかったと思います。それは、あなたに信用があるだけではなく、会社に信用があるからです。
いくらあなたに支払う能力があっても独立したての頃は信用がありません。恐らくほとんどの銀行から融資を断られることでしょう。
これからいろいろ融資を受けたいと考えているのであれば、会社から独立する前に、ある程度融資を受けておいた方が良いかもしれません。
それだけ、あなたの会社という組織は社会から信用があるという事なんです。
黙っていても仕事は貰えない
出社すると、上司などに今日の仕事を頼まれると思いますが、個人事業主になるとそうはいきません。
要するに、家でじっとしていても仕事は貰えないということ。
会社に勤めている時は、嫌な仕事を押し付けられたと考えがちですが、実は、会社に行くだけで仕事がもらえるという事は幸せなことなんです。
個人事業主になると、自分で営業をして仕事を貰わなければ収入を得ることは出来ません。仕事を貰うだけではなく、単価の設定や納期なども自分で決めなくてはならないのです。
自分で仕事を貰うことはメリットでもありますが、仕事を仕事を自分でとれない方にとっては大きなデメリットになることでしょう。
自分で確定申告をしなければならない
会社員の場合は、ほとんどの場合は、会社側が年末調整をしているはずです。
個人事業主の場合は年末調整ではなく、自分で税務署に確定申告をしなければなりません。
会社員の年末調整は、払い過ぎた税金を計算したり、住宅ローン控除や社会保険料控除を会社側がしてくれます。
しかし、個人事業主の場合は、自分で経費や収入を計算して帳簿に記入し書類を作成しなければなりません。
もちろん、分からなくても税理士の方に報酬を支払えば確定申告は気にしなくても良いのですが、税理士報酬は意外と高いのです。
独立したての頃は恐らくまだ、税理士を頼む余裕はない方が多いと思うので、出来れば自分で確定申告をしたいところですよね。
2020年に独立した僕も、初めての確定申告は税理士に頼む余裕がないので、自分で調べながら確定申告書を作成して税務署に申告してきました。
もし自分で確定申告をしたいという方は、初めての僕でも出来た確定申告について5ステップにまとめた記事を作成してありますので参考にどうぞ。
会社員から個人事業主になるメリット7つ
会社員から個人事業主になるにはデメリットばかりではありません。下記をご覧ください。
- 時間の縛りがない
- 上下関係がなくなる
- 単価を自分で設定できる
- 色々な業種の仕事ができる
- 自分で好きな仕事を選べる
- やりたくない仕事はしなくてOK
- やればやるだけ自分の利益になる
会社員から個人事業主になるメリットは上記の通りです。
詳しく解説していきますね。
時間の縛りがない
記事の初めにありましたが、個人事業主は組織に属していないので、自分で仕事をする時間を選ぶことが出来ます。
例えば、会社員の方は会社が9時から18時までだったらそれに合わせて働かなければなりませんが、個人事業主はほぼ時間に決まりが無く働くことが出来ます。
受注した納期があるので一概には時間に縛りがないとは言い切れませんが、納期に間に合うのであれば何時間働こうとも自由です。
例えば、9時から12時まで仕事。14時まで休んで14時から16時までは営業。16時から18時まで仕事。という事も出来ます。
特に、IT関連のお仕事をする方は自宅で仕事ができるので時間配分を自分なりに調整することが出来ます。
朝が辛い人はお昼から仕事をできますし、夜が辛い人は朝仕事をすることができます。時間に縛られるのが嫌な人にはとても良いメリットでしょう。
上下関係がなくなる
会社は組織なので、必ずと言っていいほど上下関係があるはずです。
- 社長
- 役員
- 部長
- 課長
- 社員
大体は上記の通りですよね。その他にも先輩や後輩との上下関係もあります。会社に勤めている時に消耗する原因の多くが「人間関係」ではないでしょうか。
会社を辞めたいと考えるほとんどの方は、人間関係に消耗して転職をする人がいます。しかし、どこの会社に勤めても結局は上下関係からは逃れることは出来ません。
個人事業主は、「社長」のようなもの。つまり、あなたがトップなのです。
従業員を雇うにしても上下の関係ではなく、横のつながりを大切にする雇用関係を作り上げることで、辛い人間関係の消耗をすることが無くなります。
フリーランスの方であれば、ほぼ一人で働くスタイルだと思うので、上下関係なんて一切気にしなくてもOKになります。
辛い人間関係から解き放たれるには、会社という組織にいる以上は逃れることは出来ませんが、個人事業主は上下関係がなくなるというメリットがありますよ。
単価を自分で設定できる
個人事業主は、自分で仕事を貰いますが、その時に色々な取り決めをします。
- 納期
- 単価
- 品質
大体はこんな感じだと思います。納期や品質に合わせた単価を自分で設定するので、低くすることも高くすることもできます。
会社員は会社側が給料を設定しているので、品質や納期に関わらずにあなたの単価は決まっているので変えることは出来ません。
単価の設定については、簡単なようで難しいです。なぜなら、単価が低すぎると自分が消耗している場合があるし、単価が高すぎると今後の取引に関わってくる可能性があるからです。
単価が低ければ、仕事を貰いやすいですが、納期が短くて品質も高く納品しなければならないのに単価が低くて割に合わない。
逆に、品質が悪い上に納期に間に合わなかったのに単価は高いとなれば、これから仕事を依頼されることは難しくなるはず。
納期と品質と単価の設定は、業種によって相場があるとおもいますので、品質や納期と併せて検討することがおすすめです。
自分のスキルに合わせて単価を設定することで、会社員の時とは全く違った収入を得ることが出来るので、やりがいを感じますよ。
色々な業種の仕事ができる
個人事業主になると、自分で仕事の業種も選ぶことが出来ます。例えば下記の通り。
- 普段は建設業をメインにしつつ農業もする
- 電気工事業が暇になったからWebライター業に専念する
こんな感じです。要するに副業をしているような感覚とか、転職をした感じに似ていますね。実は、上記は僕の働き方に似ています。
これからの時代は何が起きるのか分かりません。一つのことだけに専念するよりも、収入の柱を3つくらいに絞っていくことが大切だと思っています。
自分の得意な分野を持ちつつ、新しいことにチャレンジしやすいのも個人事業主ならでは。
いいなと思ったらすぐに新しい分野に挑戦してみると、新しい自分を発見できるかもしれませんよ。
自分で好きな仕事を選べる
会社に勤めている時は、たとえ嫌な仕事でも引き受けなければなりませんが、個人事業主なら自分で好きな仕事を選ぶことが出来ます。
やり方は至って簡単です。仕事を貰う時に好きな仕事を選べば良いのです。
初めから好きな仕事を選んでおけば嫌な仕事をしなくても良いですからね。
嫌なコトを毎日積み上げるよりは、好きなコトを毎日積み上げることがあなたの個人事業主としての成長に繋がりますよ。
やりたくない仕事はしなくてOK
先ほどの項目とやや似ていますが、個人事業主は自分がやりたくない仕事はしなくても良いんです。これは最高ですよね。
- 嫌な上司と毎日仕事
- 他の人がやりたくない仕事を押し付けられる
- 新しいことに挑戦したいのにさせてもらえない
上記のようなことはしなくてOK。稼ぐために仕方がないこともあるかもしれませんが、基本的には、嫌なコトをする必要はありません。
嫌な仕事だけどスキルには自信がある。
こんな感じでも、会社から独立すれば、自分で好きな仕事に変えることが出来るかもしれません。
特に嫌な上司や遊んでばかりいる同僚と共に働いていても決して自己成長はしません。自分で考えて行動するから成長できるのです。それも楽しむことが大切。
毎日嫌な思いをして働くことから卒業です。
やればやるだけ自分の利益になる
会社に勤めている時は、大げさに表現すると、隠れてスマホで遊んでいても頑張って働いても給料は同じ。
しかし個人事業主は違います。
やればやるだけ自分の利益になるのです。
とはいえ、逆もまた然りで毎日遊んでばかりいると、ひどい時は収入が0になってしまいます。
この記事を読んでくださっている方は、稼ぐことに対する意識が高いと思うのでそんなことはないと思いますが。
仕事に対するやりがいを感じる時って自分の努力と成果が収益になる時だと思います。
自分の努力の成果が目に見えて増えてくる。まるでゲームのRPGのような感覚で自己成長を楽しむことが出来ますよ。
収益=経験値のような感覚になります。
個人事業主の為の給付金や補助制度
事業を行うにはまずは資金が必要。とはいえ、自己資金ですべてをまかなうことはなかなか難しいはず。
そんな時は、国が個人事業主を応援するために用意している補助金や助成金を利用しましょう。
補助金や助成金の活用は、これからあなたが個人事業主として活動していく経営戦略の一つでもあり、どんなものがあるのか知っていることが大切となります。
下記に個人事業主が使える補助金・助成金について一部ご紹介します。
- IT導入補助制度
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり・商業・サービス補助金
順番に解説していきます。
IT導入補助制度
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
公式サイトから引用
ようするに、個人事業主がITツールを導入に活用できる補助金のことです。
補助の対象者は下記の通り。
- 飲食
- 宿泊
- 卸売
- 運輸
- 医療
- 介護
- 保育
- 製造業
- 建設業
- サービス
大体はこんな感じです。
詳しいIT導入補助制度についての説明が知りたい方は下記のサイトを参考にしてください。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは分かりやすく説明すると、一定の条件を満たした「小規模事業者」と「特定非営利活動法人」を対象に、事業の持続・継続や発展のための補助金が受け取れる制度です。
補助金額は該当費用の3分の2、上限50万円という制限です。
申請の方法やお問い合わせはこちらのサイトをご覧ください。
ものづくり・商業・サービス補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
「ものづくり補助金」の対象となっている経費は決まっています。基本的には設備投資のための費用「機械装置費」人件費や販促費などは対象になりません。
こちらについて動画で分かりやすく解説していますので気になる方は参考にどうぞ。
会社員と個人事業主どちらが良いのか?
会社員が良いのか独立して個人事業主になる方が良いのかは、業種や収入の状況により賛否が分かれると思います。
大切なのはあなたがどう思うのかで決めるべき。
会社員として働き、上を目指すことで役員になれれば経営者になることもできます。
会社に勤めるのが嫌で上司や同僚から仕事を言いつけられたくないのであれば、自分で営業して全て自分の責任で仕事をし、独立して個人事業主を目指すのが良いでしょう。
何度も言いますが、会社員と個人事業主のどちらが良いのかを決めるのは結局のところあなたしかいません。
人の意見に惑わされず、はっきりとした自分の信念があればどちらを選択しても良いはず。
人に流されると失敗した時に他人のせいにしてしまうので、どちらを選択するのかはあなた自身の心と相談して、自分で決めること。
自分で決めた道なら、間違いに気づくことも出来ます。道が違うと感じたらまた自分で道を決めて軌道修正すればよいのです。
自分で決めた道なら信じて進むことが出来るはずですよ。
まとめ
会社員から個人事業主になるデメリットは6つ。
- 収入が不安定
- 全て自分の責任
- 保険料は全額自己負担
- 融資をうけにくくなる
- 黙っていても仕事は貰えない
- 自分で確定申告をしなければならない
そしてメリットは7つあります。
- 時間の縛りがない
- 上下関係がなくなる
- 単価を自分で設定できる
- 色々な業種の仕事ができる
- 自分で好きな仕事を選べる
- やりたくない仕事はしなくてOK
- やればやるだけ自分の利益になる
デメリットとメリットをよく考えて最終的にどちらが良いのかを自分で選択し、それに向かって行動する。
どちらが正解かは決断したあなたにしかわかりません。答えが知りたければ実際に自分で行動するしかないのです。
これからの時代は、安定なんてことはないかもしれません。
今の収入よりも、あなたが成長できる道はどれなのか?どの道を進むことが楽しいのか?
この記事を最後まで読んでくれたあなたが、自分で道を切り開き進んだ先に輝かしい未来が待っていること願っています。