個人事業主とフリーランスの違いが知りたい人
「個人事業主とフリーランスの違いってなんだろう?どちらも独立しているし、もしかしたら呼び方が違うだけで実は同じなんじゃないのかな?」
こういった疑問にお答えします。
2020年11月に独立して個人事業主になった僕が、個人事業主とフリーランスの違いについて詳しく解説していきます。
【 この記事を書いている僕の紹介 】
- けんちゃん@個人事業主
- 2020年に独立した個人事業主
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これから独立して、個人事業主とフリーランスどちらが良いのかについて知りたい方に、両者のデメリットとメリットについても解説していますので是非ご覧になってくださいね。
個人事業主とフリーランスの違いとは
個人事業主とフリーランスの違いについて結論から言うと「開業届の有無」によって違います。詳しく深掘りしていきます。
開業届の有無によって違う
上記でも述べましたが、個人事業主とフリーランスの違いとは「開業届の有無」によって違います。
個人事業主もフリーランスも共に独立しているが、税務署に開業届を提出したかどうかによって違うという事。
この記事を書いている僕は税務署に開業届を提出しているので個人事業主になります。
働き方については同じように見られるので、どちらも同じだという認識をされやすいですが、実は明確な違いがあったんです。
それぞれについてさらに深掘りしていきますね。
個人事業主
個人事業主とは「税務署に開業届を提出して何らかの事業を行っている人」を指します。
ここで言う「事業」とは内容に継続性と反復性が認められる仕事のことです。
フリーランスは単発の仕事が多いですが、個人事業主は同じような業種の案件を継続した働き方が特徴と言えるでしょう。
フリーランス
フリーランスとは、様々な業種で個人で案件を受注し、単価や納期を設定して対価を得る働き方のことです。
企業に雇用されずに、個人で働き方を設定できるので、時間の縛りや給料の天井がないのが魅力でしょう。
個人事業主の働き方にも非常に似ていますが、こういった活動は税務署に開業届を提出しなくても行えます。
個人事業主とフリーランスの関係性
個人事業主も会社に属さずに、様々な業者と取引をしているのであれば、働き方はフリーランスといっても良いのかもしれません。
個人事業主はあくまで働き方ではなく税務署に開業届を提出したかどうか。
それに、フリーランスでも法人化は可能です。
似て非なる個人事業主とフリーランスの関係性が分かったと思います。何度も言いますが働き方ではなく税法上の言葉と言うことですね。
個人事業主のデメリット・メリット
明確な区分が分かったところで個人事業主のデメリットとメリットについて見ていきましょう。
デメリット
フリーランスと比べて個人事業主になるデメリットは下記の通りです。
- 青色申告の際は複式簿記が必要
- 個人事業主には雇用保険がない
- 従業員が増えると管理や経理などが増える
この後に説明しますが、確定申告の際に節税効果の高い青色申告をする場合には、複雑な複式簿記が必要となりますので経理や簿記の経験がない人にとっては難しいと感じるでしょう。
個人事業主には雇用保険がないので案件を受注できなくなったとしても失業保険の給付金は得られることが出来ません。
フリーランスとの大きな違いとして、個人事業主は従業員を雇うことが出来ます。事業の拡大には従業員の協力が必要なので将来を見据えて従業員を増やしていきたいところ。
特に、従業員が増えることで管理や給料などの経理の負担も増えるうえに、仕事の面や精神的なケアも必要となってきます。
従業員が増えることで社会保険や労働するために必要な保険や各種手続き等、フリーランスと比べると非常に手間がかかると言えるでしょう。
個人事業主が従業員を雇う場合については個人事業主が従業員を雇う場合の手続きとは【雇用の流れ5ステップ】にまとめてありますので参考にどうぞ。
メリット
個人事業主になるにはメリットがあるから開業する人が多いのです。それは下記の通り。
- 青色申告で節税が可能
- 各種支援制度が受けやすい
- 屋号付きで口座を開設できる
屋号付きで口座を開設したり、各種支援制度が受けやすい等のメリットがありますが一番は「青色申告で節税が可能」なこと。
この後に説明しますが、フリーランスは開業届を提出しないので確定申告の際は白色申告というものになります。
個人事業主が青色申告をするためには、事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。提出をしないと自動的に白色申告者になってしまいます。
青色申告をすることで基礎控除が10万、55万、65万と申請する方法や提出する書類によって基礎控除額が変わります。
青色申告ってなんだか難しそう…。だからといって税理士を頼むとお金が掛かってしまうし。だったら簡単な白色申告の方が良いんじゃない?
以前は白色申告は確かに青色申告に比べると比較的簡単でしたが、今は青色申告とほぼ変わらないのでメリットはほとんどありません。
それに建設会社に23年間勤めていて簿記の経験がない僕でも青色申告ができました。それは会計ソフトを使用したから。
会計ソフトを使用することで初めての方でも簡単に青色申告が出来ます。詳しくは個人事業主の確定申告のやり方5ステップ【会計ソフトで青色申告】を参考にしてください。
フリーランスのデメリット・メリット
継続して事業を行う個人事業主に比べて自由な働き方が出来るフリーランスですが、もちろんデメリットとメリットもありますので見ていきましょう。
デメリット
個人事業主と比べたフリーランスのデメリットは下記の通りです。
- 仕事が単発的
- 仕事を断りにくい
- 信用が得られにくい
- 自分を縛るものがないので生活リズムが崩れやすい
個人事業主に比べると、どうしても仕事が単発的になりやすいので、次々と仕事を引き受けてしまい断ることが出来なくなり、ついには精神的に疲れてしまう人がいます。
それに、開業届を提出していないという事は、屋号もないので社会的信用が初めの頃は得られにくいというデメリットがあります。
とはいえ、SNSをうまく活用することで、信頼度を高めることができますので、Twitterなどで積極的に発信をすることで信頼されるようになり仕事を受注している方が多いですが。
メリット
最近ではフリーランスという働き方にあこがれて独立する人が多いですが、それは下記のようなメリットがあるからだと思います。
- 人脈が広げやすい
- 自由な働き方が出来る
- 時間や場所に縛られない
- 様々な業種の仕事ができる
- 従業員がいないので周りに気を遣わなくてOK
個人事業主と比べると比較的に自由な働き方を自分で選べるのが最大のメリット。
自分の働き方だけに集中すればよいのでスキルも高めやすいです。
それに、色々な業種の仕事が出来るので仕事の幅も広げやすいのも特徴の一つ。
これからの時代は一つのことに絞るよりは、時代のニーズに合わせて業種を変えることが大切ですからね。
フリーランスの多くは自宅でパソコンとネット環境があれば仕事が出来るので、移動の時間が必要なく案件に時間を使うことが出来るので仕事に集中できます。
何よりも周りの環境や時間に左右されずに自由に働けるので、組織などに縛られたくない人には憧れる働き方となっています。
まとめ
個人事業主とフリーランスの違いをまとめました。
- 開業届を提出したら個人事業主
- フリーランスは従業員に気を遣わなくてOK
- 継続して案件を受注する働き方は個人事業主
- 時間や場所に縛られない働き方をフリーランス
- 個人事業主は確定申告の際に青色申告で節税できる
- SNSなどで信頼度を高めて人脈を広げやすいフリーランス
- 個人事業主には各種支援制度が受けやすいメリットがある
個人事業主とフリーランス。どちらの働き方が良いかは他の人が決めることではなく、自分の生活スタイルや働き方によって選べば良いと思います。
フリーランスでも個人事業主でも、自分がどう成長していくか、楽しく仕事が出来ているかどうかが重要だと思います。
どちらを選べば良いのかこの記事が少しでもあなたの役に立てたなら幸いです。